研究課題/領域番号 |
18K16328
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
早田 啓治 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90637654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | IL-17 / STAT3 / 免疫チェックポイント分子 / がん微小環境 / 免疫逃避機構 |
研究実績の概要 |
がん微小環境における慢性炎症はIL-17/STAT3 pathwayを介して腫瘍浸潤免疫担当細胞の免疫チェックポイント発現を活性化し、腫瘍の増殖が促進されると考えられる。そのため、がん微小環境におけるIL-17/STAT3 pathway制御し、免疫チェックポイントを阻害することで免疫逃避機構を強力に解除し、癌免疫療法の効果増強が得られるとものと作業仮説を立て検証する。 本年度はSTAT3 siRNAの合成とSTAT3 siRNA発現adenovirus vectorの作製とAd-STAT3 siRNAを腫瘍局所STAT3発現抑制による腫瘍増殖抑制効果の検討を行った。 STAT3に対するsiRNA設計を行いpcPURmU6cassetteに2種類構築する。抑制効果の良いほうのプラスミッドよりコスミドベクターを作製し、COS-TPC法にてSTAT3 siRNA発現adenovirus vector(Ad-STAT3 siRNA)を作製した。In vivo実験用にVivapure AdenoPACK100を使用し、精製、濃縮し、1×1011PFU/ml以上のAd-STAT3 siRNAを得た。 前年度のモデルと同様に、Ad-STAT3 siRNA、Ad-SNC 1×109PFU(コントロール1)、PBS(コントロール2)を腫瘍内に投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討し、Ad-STAT3 siRNA群で腫瘍増殖を抑制することを確認した。また、Day14に腫瘍を切除し、ウエスタンブロッティングで腫瘍局所におけるSTAT3のタンパク発現が抑制できていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
STAT3 siRNA発現adenovirus vectorの作製に時間を要したことと、in vivo実験であり、再現性実験のために時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点での研究結果は仮説通りであるため、予定を変更せずにこのまま研究を遂行する予定である。
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