直腸癌および肛門疾患に対する手術後に生じる直腸肛門機能障害は近年注目を集めている。本研究は高精細度直腸肛門内圧検査(High-resolution anorectal manometry, 以下HR-ARM)を用いて本邦でおこなった最初の研究であり、今回の測定値は海外のHR-ARMの報告とくらべても大きな違いはないことが確認できた。下部進行直腸癌に対してはCRT前後で内圧の改善およびWexner scoreが改善すること、直腸脱においては経腹的固定術と経肛門的アプローチでは肛門内圧の改善に相違はあるが関わらずWexner scoreが改善することが確認できた。
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