本研究では、炎症性腸疾患(IBD)患者の腸管粘膜における細血管増生と血管内皮細胞機能の亢進と炎症との関連について明らかにすることを目的とした。その中でも、特にヒト大腸組織中の血管新生阻害物質であるThrombospondin-1 (TSP-1)、血管新生物質であるCD31発現と炎症との関連に新規性を求めた。CD31は、免疫染色にて対照群(大腸癌患者正常粘膜)に対して潰瘍性大腸炎患者(UC)大腸粘膜での発現の上昇を認めた。一方で、TSP-1は免疫染色ではUC患者大腸粘膜においての発現を認めなかった。PCR検査を追加したが、TPS-1はUC患者大腸粘膜での有意な発現は認められず関連は不明であった。
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