研究課題
(1)メチレンブルーを蛍光源として用いた蛍光イメージングの開発:膵臓腫瘍、神経、尿管の蛍光イメージング前年度にメチレンブルーを蛍光源とした開腹手術用の赤外観察カメラの試作器を用いて、ヒトを対象に膵頭神経叢20例、膵腫瘍3例、肝腫瘍2例の観察を行った。本年度はそれらをふまえ、試薬の投与量・投与方法の最適化をはかるべく、ラボでの実験とラットでの実験を行った。同時に腹腔鏡用の試作機の開発を浜松ホトニクス、アイ・エム・アイ株式会社、新興光器製作所とすすめ完成に至った。今年度は開腹用、腹腔鏡用の両試作機を用いて観察を行った。試薬の静脈注射にてラットの尿管が蛍光観察されることを確認したが、蛍光のコントラストが低い点が問題であり、さらなる実験と調整が必要と考えらえる。また試薬の直接散布にて神経が蛍光として観察されることを確認した。こちらの蛍光コントラスは良好で、病理学的検索、再現性の確認へと進める予定である。(2) フルオレセインを蛍光源として用いたミクロ蛍光イメージングによる術中診断法の確立前年度にヒトを対象として大腸癌肝転移20例、胆道癌15例、胆嚢腫瘍10例、膵腫瘍10例の検体を直接散布法にて観察を行った。また胆道癌5例に対しては静脈注射による術中観察も行った。本年度はそれらをふまえて解析と研究のまとめを行った。研究抄録が採用され、2020年3月に韓国、4月に日本の学会にて同研究内容を報告予定であったが、COVID19感染の影響で延期ののちWEB開催の見込みである。大腸癌肝転移に関する英語論文は作成済でこれから投稿の予定である。胆道癌に関する報告は現在も解析中であり、2020年度中の論文・学会報告を予定している。
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