遠隔転移を有さない進行胃癌に対する本邦における標準治療は、根治的切除と1年間の術後補助化学療法である。本研究は、インターネットを用いて胃癌術後補助療法中の症状を患者自身が報告し、患者や医療者が適切に対応できるシステムを開発した。患者は8つの症状を自宅と外来受診時に5段階評価する。症状が軽度の場合はアドバイスが患者画面に自動的に表示され、重度の場合は医療者による対応が促される。医療者へメールが送られ、エビデンスに基づく望ましい対応方法が示される。受診時には患者と医療者が結果を共有する。本研究は、情報技術(IT)を活用し、患者中心の新たな時代の癌治療の文化と産業を開拓する礎になると考えらえる。
|