Dclk1は大腸癌の癌幹細胞マーカーの候補として注目されるようになり、その他の癌種でも研究が進められている。現在は癌幹細胞マーカーだけではなく、発癌や転移 に関しても重要な役割を果たしている。Dclk1阻害薬もLRRK-IN-1やXMD92など様々な薬剤が存在し、それらを用いた抗腫瘍効果も動物実験レベルで報告されている。臨床では、大腸癌、膵癌、乳癌などの予後不良因子になり得るという報告があるが、治療標的としての研究はまだ進んでいない。本研究は大腸癌に対する化学療法の中心に位置する5-FUの効果を高めるため、Dclk1阻害薬を併用する研究であり、今後の大腸癌治療の進歩に貢献できると思われる。
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