研究課題
【研究の目的、研究方法】本研究は、十二指腸内視鏡的粘膜下層剥離術 (Endoscopic Submucosal Dissection;ESD)後の合併症である遅発性穿孔を予防するために、ESD直後の患部漿膜側への自己骨格筋由来筋芽細胞シートの移植が有効性を大動物を用いて検証し、この移植療法を新たな再生医療等製品として構築する目的で行った。研究の達成のため以下の課題に分けて取り組んだ。【十二指腸ESDモデル動物の確立】家畜ブタを用い術後3日目に高率に術後穿孔を来す十二指腸ESDモデル動物を確立した。【ブタ筋芽細胞シートの作製方法の確立】既報の方法によりブタ大腿部筋肉から採取した筋組織をコラゲナーゼとトリプシンを含む消化酵素で処理し筋芽細胞を採取、温度応答性培養皿で培養することで筋芽細胞シートを作製するプロトコールを確立した。【自己筋芽細胞シートの十二指腸ESD後穿孔予防効果の確認】ブタ十二指腸ESDモデルを用いて自己骨格筋由来筋芽細胞シートを十二指腸ESD後の漿膜側に移植することで術後3日目の遅延性穿孔予防効果を確認した。【細胞シート移植のための腹腔鏡下デリバリーデバイスの開発】腹腔鏡下デリバリーデバイスを開発し脆弱な細胞シートを腹腔内臓器に腹腔鏡下に運搬し移植することが可能であることを確認した。上記研究結果を基に、非臨床POCとし実用化のためのAMED予算を獲得、現在医師治験を長崎大学病院にて開始している。
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Surgical Endoscopy
巻: - ページ: -
10.1007/s00464-021-08708-3