本研究にてNrf2が腫瘍免疫を介して肝胆膵領域癌進展に与える影響について分析した。膵癌細胞株を用いたin vitro実験ではNrf2は腫瘍の増殖に関与していた。Nrf2とPD-L1発現の間には正の相関を認めた。膵癌において、PD-L1高発現群とCD8低発現群は予後不良であった。胆管癌においては、Nrf2とPD-L1発現の間に相関関係はみられなかったが、Nrf2とCD8発現には負の相関関係を認めた。胆管癌において、PD-L1高発現群とCD8低発現群は予後不良であった。 肝胆膵領域癌(特に膵癌と胆管癌)においてNrf2が腫瘍免疫と関連して腫瘍進展を促し、患者予後の悪化に関与している可能性を示した。
|