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2018 年度 実施状況報告書

DLL3を基軸とした消化管NETの病態解明と新規創薬への試行

研究課題

研究課題/領域番号 18K16375
研究機関大阪医科大学

研究代表者

谷口 高平  大阪医科大学, 医学部, 助教 (70779686)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード消化管神経内分泌細胞がん / NEC / NET / DLL3 / クロモグラニン
研究実績の概要

正常消化管組織において、DLL3がクロモグラニン陽性細胞に発現することを同定した。この結果は、胃から直腸まで同様の傾向であった。
また神経内分泌がんにおいても、この局在性は維持され、神経内分泌細胞に関連が深いことが示唆された。消化管神経内分泌細胞がん細胞株を用いた解析ではDLL3発現が他の一般的な癌細胞株と比較し、数千倍に増幅することを同定した。
一方で、DLL3のノックダウンによりアポトーシスを介した増殖抑制能を認めた。カスパーゼの発現変化から、内因性のアポトーシスの誘導が示唆された。また3次元培養でもDLL3のノックダウンにより抗腫瘍効果を認めた。
これらの知見は希少腫瘍である消化管神経内分泌細胞がんにおける病態を一部解明したといえる。現在、解析結果を論文化し投稿中である。但し、発現部位は細胞質が主で細胞表面ではないため分子標的治療剤が有用であるかは疑問が残った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一旦、知見を論文化し成果報告に到達している。しかし、新規治療法確立のためには更なる研究成果が必要であり今後も研究を計画的に展開させていく必要がある。また病態解析についても、DLL3と密接な関係性にある遺伝子などを同定したり、DLL3の発現機構を解析していく必要がある。

今後の研究の推進方策

まずは、現在報告中の知見をまとめる。既に追加実験などを検討している段階である。また、DLL3の発現機構を更に解明することを計画している。DLL3の局在からDLL3の分子標的治療剤である、rovalpituzumab tesirineが有効であるかは十分な検証が必要である。また、研究成果で消化管神経内分泌細胞がん細胞株中の顆粒にDLL3が陽性であることが示唆された。これらの顆粒は細胞外分泌小胞として機能している可能性があるため、今後の検証を計画している。

次年度使用額が生じた理由

研究成果を一旦論文で報告する段階に入ったため、追加実験などが十分に施行できる様に研究費を一部、次年度にも担保し本年度の研究期間を終了するように進めた。現在、追加実験を行っている最中であり、計画通り使用しつつ実験を進めている。

備考

本年度Webページの更新を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Functional analysis of Delta-like-3 in the neuroendocrine cells of gastrointestinal tract2019

    • 著者名/発表者名
      松尾謙太郎、濱元宏喜、猪俣陽介、島卓史、谷口高平、内山和久
    • 学会等名
      第52回 制癌剤適応研究会
  • [学会発表] Functional analysis of Delta-like-3 in the neuroendocrine cells of gastrointestinal tract2018

    • 著者名/発表者名
      松尾謙太郎、谷口高平、濱元宏喜、川口直、猪俣陽介、内山和久
    • 学会等名
      第27回 日本Cell Death学会学術集会
  • [学会発表] 消化管神経内分泌腫瘍におけるDLL3の機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      松尾謙太郎、濱元宏喜、谷口高平、猪俣陽介、内山和久
    • 学会等名
      第77回 日本癌学会学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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