本研究ではPANC01よりスフィアを作製し、S1004Aタンパク発現との関連を検証してきた。完全な球形のものではS100A4タンパクが細胞内の一部へ局在する傾向を示した。スフィアではS100A4の発現自体が低下している事も明らかになった。このスフィアの悪性度や性質を細胞浸潤アッセイなどで検証すべく、一度に大量の細胞を作成する必要があった。しかし、無血清培地(Prime XV)の供給が終了し、他の培地では再現性をもって同等のスフィアを作成する事は困難であったため、スフィア作成を軸にした研究は断念せざるを得なくなった。引き続き、関連する研究を模索したが、うまく展開させる事ができなかった。
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