マウスの左後下肢を結束バンドで駆血し虚血状態を作成する新しい下肢虚血再灌流モデルマウスを作成した。作成したモデルに水素ガスを投与した群と、大気を投与した対照群とを比較し水素ガスの効果を検証した。 水素ガス投与により、筋細胞壊死を有意に抑制することが可能であった。対照群では虚血により筋細胞壊死を生じた後、再生筋細胞及び一部は脂肪細胞へと置換されていたが、水素ガス投与群では、大部分にて正常筋細胞が保たれており、脂肪細胞の出現も抑制された。また、好中球、リンパ球、マクロファージの炎症細胞浸潤を有意に抑制し、炎症性サイトカインであるIL-6も同様に有意に抑制した。
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