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2018 年度 実施状況報告書

脱細胞化、再細胞化技術を用いた再生型カバードステントの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16403
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松原 健太郎  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (70348671)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード生体吸収性ステント / 血管内治療 / カバードステント
研究実績の概要

先行実験として行っていた、再生型カバードステントのブタ腸骨動脈への端々吻合による同種動脈置換術の14日目の病理学的評価において、吻合部から連続する内皮細胞とともに、脱細胞化静脈壁内に多数の線維芽細胞を認めた。よって本年度の計画として、まずブタ脱細胞化静脈へのHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)を用いた再細胞化を行う予定であったが、それに先行して、既存の検体の免疫組織学的染色を追加で行い、内皮細胞以外の細胞成分の検討を行うことにした。免疫組織学的染色で、脱細胞化静脈壁内にはDesmin陽性細胞を多数認め、移植後に内皮細胞だけでなく筋線維芽細胞が遊走することが判明した。この筋線維芽細胞は後に血管平滑筋細胞に分化すると予想される。内皮細胞は脱細胞化静脈内腔面のみ、筋線維芽細胞は静脈壁内のみに局在していることから、移植後に各細胞は自然と細胞外マトリックスの適所に遊走し、静脈壁を再生していく可能性が示唆された。
また脱細胞化静脈への再細胞化をするにあたり、脱細胞化後の静脈壁の細胞外マトリックス構造がしっかり保持されていることをさらに詳細に確認することとした。これまでのHE染色やEVG染色に加え、走査型電子顕微鏡による検討を加え、脱細胞化処理後にも再細胞化の足場としての静脈壁構造を保持していることを確認した。
カバードステントのデリバリーシステムに関しては、研究協力者の京都医療設計株式会社と意見交換を行い、スムースな挿入・展開が可能になるようなシステムの改良、調整を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験計画の修正に伴い、既存の検体の組織学的評価などを先行させたことから、当初の計画からの遅れを生じている。再生型カバードステントをブタ腸骨動脈に血管内留置する実験に向けて、デリバリーシステムの考案と改良は同時進行で進めている。

今後の研究の推進方策

本年度の結果をふまえ、脱細胞化静脈への再細胞化を行うにあたり、内皮細胞だけでなく、線維芽細胞も共培養させるかなどを検討する。カバードステントの血管内留置実験に関しては、ブタ腸骨動脈へのカバードステント留置手技を安定化させるとともに、確実に標的部位に留置可能となるようなデリバリーシステムの改良を進める。そしてブタ腸骨動脈への留置後14日目の開存性評価や病理組織学的評価を行う。また、血管内留置後の遠隔期成績を評価する際に、カバードステント外壁を構成する生体吸収性ステントと、腸骨動脈の接触部における慢性的な炎症性変化や異物反応による内膜肥厚が生じることが懸念された。よって先述の計画に加え、生体吸収性ステント単独でブタ腸骨動脈内に留置して、遠隔期(6ヶ月程度)まで観察を行い、生体吸収性ステントが留置部動脈壁に与える影響を検討する実験の追加を予定している。

次年度使用額が生じた理由

予定していた国内、国際学会へ、都合により参加できなかったため。また、実験計画に変更があり、細胞調整試薬などを翌年度に購入することになったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 異物を残さない再生型ステントグラフト開発に向けた基礎的研究2018

    • 著者名/発表者名
      松原健太郎
    • 学会等名
      第46回日本血管外科学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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