研究課題
若手研究
心筋組織を中心に支配神経の障害と再生が、組織障害からの回復と再生にどのような影響を及ぼすのか遺伝学的な手法を主に用いて解析を行った。心筋組織については障害後再生時に増生する交感神経は、心外膜側や血管周囲を中心とした線維化を誘発する可能性が示唆され、臨床で問題となる病理の一部であると考えられた。その他、神経系と血管内皮細胞、炎症細胞との連関が示唆されたが、臓器により現象は一定せず、組織再生においては炎症系細胞が主役を担うことが示唆される観察を得た。
循環生理学
交感神経が心不全の病態形成に重要な役割を果たしていることは良く知られているが、同病理が神経トーンの変化する例えば心臓周術期にも強く関係しており、神経の再支配が組織学的な直接のリモデリング及ぼすことが再確認された。また侵襲に対する応答には炎症細胞の関与が重要と考えられ、治療介入を考える上で示唆を与える。いずれも例えば小児心臓手術において周術期管理の重要性を説くものであり、社会的に意義があると考える。