研究実績の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)では器質化血栓非存在部の血管でもリモデリングは生じることが明らかとなっているが、その機序は明確となっていない。また、現行の治療は器質化血栓存在部の血管に対しての介入であるが、これらの治療では血行動態の改善は得られるが、酸素化の正常化はえられず、新規介入手法が求められている。われわれはこの課題の介入の目的とし、左肺切除により、残存した右肺動脈の肺血流を増大させ、右肺動脈に定量的な容量負 荷(High flow)を引き起こすモデルマウス(PAOVモデル)作成した。このモデルでは右肺に血流が集中することで、血栓非存在部の血管リモデリングを表している。同モデルでは血管リモデリングを生じることが明らかとなり、その機序にマクロファージが関与していることが明確となった。本年、これらの結果を論文として発表した。(Int Heart J. 2019 Mar 20;60(2):451-456.) さらに、実際に肺組織に集積 する炎症細胞の時 系列profileにつき、 免疫染色(CD11b, F4/80, CD206, Ly6G, CD3)により評価を行 う。特にマクロファー ジのM1/M2極性に ついては、フローサ イトメーター(M1; Ly6chi, M2; Ly6clo)を用いてその肺血管への集積について経時的解析を行い、現在解析中である。
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