研究課題
Fgf10Exon1ホモ欠失胚を作成し、その胚盤胞に対してES細胞をインジェクションし、キメラマウスを作成した。キメラマウスの肺が組織学的に正常な肺であること、障害なく成熟個体となることを確認した。またキメラマウスを作成した胚盤胞の遺伝子型を同定するために肝細胞からGFP陰性細胞をソーティングし、胚盤胞のFgf10遺伝子がホモ欠失していることを遺伝子解析により証明した。これによりES細胞由来の肺ができることを証明し、結果は第118回日本外科学会定期学術集会で発表し、Young investigator awardを受賞した。Fgf10遺伝子ホモ変異胚を使用した実験では、それを証明するために時間を要する。そこで実験を簡便化させるため、肺欠損モデルマウスの遺伝子型を複合ヘテロとして同様に実験を行った。Exon1ヘテロ欠失個体から得られた精子とExon3ヘテロ欠失個体から得られた卵子を体外受精し、偽妊娠マウスを利用して複合ヘテロ個体を作出した。組織切片、造影マイクロCTを用いて肺欠損および肺低形成であることを確認した。胚盤胞補完法を利用したキメラ作成には挑み、8回のES細胞導入実験を試み、5匹のキメラマウスを得ることができた。それらの個体の肺がES細胞由来であることを証明するとともに、成熟個体になるまで飼育し、機能的に問題のない肺が作成できたことを証明した。さらに免疫組織化学的手法を用い、肺を形成する細胞の多くがES細胞由来であることを証明した。複合ヘテロモデルを用いた研究でもES細胞由来の肺が作成できることを示すことができた。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Cell Reports
巻: 31 ページ: 107626, 107636
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2020.107626