実験1では、ブタ肺脂肪塞栓症モデルを用いて、逆行性温還流で脂肪塞栓の除去率に変化があるかを検討した。通常の逆行性還流法(Cold群)では、脂肪の回収率は投与量のわずか8%であったのに対し、新還流法(Warm群)では25%の回収率で有意差があった。虚血再還流障害については両群ともに大差なかった。これらの結果を誌上発表した。 実験2では、まずは肺移植技術を安定させるために健常ブタによる肺移植を行った。特に、肺静脈吻合が最も難しかったが、技術が安定したところでコントロール群(脂肪塞栓Cold群)の肺移植を開始した。時間の制約により実験を完遂できたものは2例のみの実施となった。
|