放射線誘発線維症(RIF)は,コラーゲン等の細胞外マトリックス構成因子の過剰な蓄積の結果と考えられている。今回の研究では,コラーゲン線維の大きさを制御するV型コラーゲンへの放射線の影響について調べた。その結果,放射線照射したマウス線維芽細胞において,転写レベルおよびmiR-29を介した転写後のレベルでV型コラーゲンの発現が増加することが分かった。さらに,線維化促進因子であるCTGFに対しても放射線による線維化形成においてmiR-26が抗線維化因子として重要な役割を担うことが分かった。これらの結果は,RIFにおける治療ターゲットとしてのmiR-29及びmiR-26の潜在的な可能性を示している。
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