臨床データを後方視的に解析し抗血小板薬の癒着抑制効果を確認した。続いてラットを使用し癒着程度に加え組織学的評価を行う胸膜癒着モデルを作成した。組織学的評価では癒着に関与する炎症細胞等を同定するために各種抗体を使用した。アスピリン群とコントロール群と比較し有意に癒着距離が短縮し、組織学的にPDGFとα-SMAの減弱等を確認した。更に抗血小板薬として抗炎症作用のないプラスグレル群で検証、組織学的に血小板関連サイトカインが減弱し免疫応答細胞が少ない傾向を認めた。また薬剤癒着処置において血清中の血小板固有蛋白が低下していた。本研究で血小板抑制効果は癒着部位での炎症を抑制する可能性が示唆された。
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