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2020 年度 実施状況報告書

肺がんの強力な予後予測因子であるperiositinの分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16432
研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

高橋 莉恵  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 共同研究員 (00773954)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード肺がん
研究実績の概要

本邦において、肺癌は最も死亡数の多い癌である。2017 年の厚生労働省の人口動態調査死亡統計によると、男性は52,430 人、女性は21,408 人が肺癌で命を失っている。肺癌全体の5年生存率は44%とされているが、IA 期が79%と良好であるのに対し、IIA 期が47%、IIIA 期が29%、IV 期が6%と進行に伴い大きな差が生まれる。早期発見できれば良好な治療成績が期待できる反面、大部分は進行した状態で発見され、その治療成績は芳しくないというのが現状である。従って、肺癌患者の予後を飛躍的に延長させるためには、転移、再発や抗がん剤耐性といった癌の悪性化形質に対する治療戦略を練る必要がある。 近年、癌周囲の間質
と癌細胞それぞれにおいて発現する分子や、分泌される代謝物のやり取りの結果として、癌進展が亢進することが癌間質相互作用として注 目されている。本邦で最も多い癌死因である肺癌において、申請者らはペリオスチンという骨、血管形成に重要な分子が、間質に強く発現していること、ペリオ スチンの発現が低いとたとえリンパ節転移陽性例であっても極めて予後良好であり、発現を消失させたマウスでは転移が縮小することを明らかにしている。そこ で、本研究はペリオスチンが癌間質相互作用を制御している重要な因子と考え、それを標的とした治療法確立のため, ペリオスチンが促進する肺癌悪性化機構に 分子、代謝、
免疫の面からアプローチし、抗腫瘍効果をin vivo にて検証することをさらなる目的とした。 本年度は肺がんPDX(患者異種移植検体)を用いてオルガノイドの作成を行い、また細胞外マトリックスをマトリゲル、コラーゲンIなどに変えてオルガノイドを作成する系を検討した。その上で、オルガノイド形成に関わる因子Xをノックアウトし、細胞外マトリックスとの関係性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請書に従って進めているが、結果の再確認に時間を要している

今後の研究の推進方策

得られた結果の検証のため、再実験を実施している。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により消耗品の納期遅れが頻発し、研究を完遂することができなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] BEX2 suppresses mitochondrial activity and is required for dormant cancer stem cell maintenance in intrahepatic cholangiocarcinoma2020

    • 著者名/発表者名
      Tamai Keiichi、Nakamura-Shima Mao、Shibuya-Takahashi Rie、Kanno Shin-Ichiro、Yasui Akira、Mochizuki Mai、Iwai Wataru、Wakui Yuta、Abue Makoto、Yamamoto Kuniharu、Miura Koh、Mizuma Masamichi、Unno Michiaki、Kawamura Sadafumi、Sato Ikuro、Yasuda Jun、Yamaguchi Kazunori、Sugamura Kazuo、Satoh Kennichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 21592

    • DOI

      10.1038/s41598-020-78539-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Establishment of a Monoclonal Antibody That Recognizes Cysteine-Rich Domain 1 of Human CD2712020

    • 著者名/発表者名
      Morita Shinkichi、Mochizuki Mai、Shibuya-Takahashi Rie、Nakamura-Shima Mao、Yamazaki Tomoko、Imai Takayuki、Asada Yukinori、Matsuura Kazuto、Kawamura Sadafumi、Yamaguchi Kazunori、Yasuda Jun、Sugamura Kazuo、Katori Yukio、Satoh Kennichi、Tamai Keiichi
    • 雑誌名

      Monoclonal Antibodies in Immunodiagnosis and Immunotherapy

      巻: 39 ページ: 6~11

    • DOI

      10.1089/mab.2019.0040

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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