制吐剤として用いる低用量のドロペリドールが経頭蓋電気刺激による運動誘発電位(MEP)振幅を低下させたとするケースレポートはあるものの、これを実証する前向き研究は行われていなかった。そこで二重盲検無作為化比較試験をデザインした。その結果、ドロペリドール投与群ではMEP相対振幅はベースラインの32%~49%に減少した。今回の結果は、低用量のドロペリドールがMEP振幅を減少させ、アラームポイントに達する可能性を示唆しており、神経モニタリングとしての偽陽性をもたらし、不必要な介入につながる可能性がある。そのため麻酔科医は低用量であってもドロペリドール投与のタイミングに注意を払う必要があると提言する。
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