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2018 年度 実施状況報告書

先天性無痛症に関連する変異遺伝子によるナトリウムチャネル機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16443
研究機関信州大学

研究代表者

清澤 研吉  信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (50624772)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード電位依存性ナトリウムチャネル / 先天性無痛症 / パッチクランプ法
研究実績の概要

すべての急性・慢性痛にとって,副作用が少なくかつ鎮痛作用が大きいという理想的な鎮痛薬の開発が現在も望まれている.理想的な鎮痛薬を目指し痛覚伝導/伝達経路にのみ存在する分子をターゲットにした薬物開発に大きな期待がよせられている.痛覚の伝導/伝達において末梢神経に特異的に存在するNaV1.7チャネルをコードするSCN9A遺伝子変異による無痛症患者が2006年に報告されて以来,NaV1.7チャネルは新規鎮痛薬のターゲットとして期待されている. 我々は知能,発達,自律神経系は正常であるものの,熱性および機械性痛覚の低下のみを有す先天性無痛症患者に出会った.患者の同意のもと遺伝子検索を行い,これにより新規のNaV1.7 変異による先天性無痛症家系を発見した.本変異はNaチャネルのポア周辺でのアミノ酸置換がおきていると予想され,電気生理学的な機能評価からNa+ 流入電流が低下することが明らかとなった.Na+流入電流が低下する機構について,より詳細に変異チャネルの機能解析をおこなっているところである.イオン通過部位であるポアの構造変化がチャネル機能におよぼす影響を調べるため,本変異周辺のアミノ酸をアラニン置換した発現実験により最も効果的に電流を抑制する変異を同定することができれば,新規鎮痛薬開発のターゲットの候補になりうると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ホールセルパッチクランプ法を用いて,変異チャネルのNa+電流の流入が低下する要因のより詳細な機能解析をおこなっており,当初予定していたアラニン置換による変異Naチャネルの解析実験はまだできていない.
遺伝子改変マウス作成は順調に進捗している

今後の研究の推進方策

変異チャネルを参考に,本変異周辺のアミノ酸を個別にアラニン置換したチャネルを発現させた機能解析実験を予定している.しかし,プラスミド作成に失敗するばあいにはアラニン置換による発現実験ではなく,マウスを用いた実験系に移行する予定である.

次年度使用額が生じた理由

変異チャネルの機能解析に時間が取られ,当初予定していたアラニン置換実験が開始できていないこと,実験結果が国際学会などでの発表には至らず,予定していた旅費にあてる額が減少したことにより次年度使用額が生じた.
今後マウスを用いた実験も計画しており,予定していた細胞外記録法のみならず,可能であればDRGを用いたパッチクランプ法の追加実験を行いたい.

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公開日: 2019-12-27  

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