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2020 年度 実績報告書

人工心肺による脳機能障害の予防法:水素ガスによる予後改善効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 18K16444
研究機関浜松医科大学

研究代表者

大橋 雅彦  浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (80817792)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード人工心肺
研究実績の概要

心臓大血管手術後の脳障害は発症すると予後を著しく悪化させる。虚血再灌流障害が重要な因子であると言われており、人工心肺の使用による塞栓や低潅流、炎症反応の惹起はまさに主要な要因である。その対策として様々なモニターや人工心肺の管理法が試されているが確立されたものはなく、さらに脳虚血発生後の対応は確立されていない。一方で救急医療や循環器領域では水素ガス吸入が虚血後の脳障害を改善するという報告が散見され、全身の炎症反応を軽減させることにより虚血再灌流障害を抑制していると考えられている。そこで、本研究ではラットの人工心肺モデルを作成し人工心肺からの水素投与が脳梗塞に対する効果を検証した。Sprague-Dawley 雄性ラット13-15 週齢42匹、以下の6群に分類する(各群7匹)。
sham群(カニュレーションのみCPBなし)とcontrol群(CPBのみ)の2群および1.3%水素ガス投与の3群で比較した。CPBモデルは我々研究室で確立しているMackensen Gモデルを使用して送血温を35℃、流量100ml/kg/minとし、90分間維持する。CPB後、さらに90分間人工呼吸管理した後に屠殺し素早く脳を取り出す。水素ガス投与は、CPB開始後から人工肺から1.3%の水素を混合し投与する。脳梗塞として、人工心肺を30分停止して全脳虚血モデルとした。生存率は水素吸入群で有意差をもってたかく(30%vs27%vs70%)、脳梗塞サイズも小さかった(p<0.01)。水素による抗炎症マーカーおよび血管内皮障害、血管内費の電子顕微鏡像も計測する予定であったが、結果がコロナによる実験の遅れで間に合わなかった。

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公開日: 2021-12-27  

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