本研究では、チオ硫酸ナトリウム(STS)が敗血症による筋肉量低下に及ぼす影響について検討を行った。まず、培養細胞(C2C12細胞)を用いた実験では、STSはLPS投与の有無にかかわらず筋肉量を減少させた。これは、ユビキチンプロテアソーム経路を介する蛋白異化の亢進が関与していると考えられた。次に、マウスを用いた実験では、マウスにSTSの前投与はLPS投与による筋肉量減少を抑制した。この機序は、ユビキチンプロテアソーム経路およびオートファジー経路が関与していることが示唆された。二つの実験において、STSの効果が一定でないためSTSの全身炎症への関与を含めてさらなる実験を検討している。
|