研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、人工心肺時の低温ストレスと血小板内miRNAの発現変化に着目し、低温へのシフトによって血小板内miRNAの発現が変化するという仮説のもとに研究を継続した。まず、10検体について72時間の4℃保存および22℃保存(room temperature)における血小板内miRNAの発現変化を次世代シーケンサーによって解析し、さらに18検体について、validation PCRを行った。その結果、4℃保存ではベースラインに比して、125つのmiRNA、22℃保存では9つの miRNAに変化が認められた。 その後、最も発現量が多かった3つのmiRNA (mir-20a, mir-16-1, and mir-16-2)、glycoprotein 1b (GP1b) を制御することが知られているmir-10a, putative G protein coupled receptor (P2Y12) を制御することが知られている, protease activated-receptor 4 (PAR4) に関連することが知られているmir-223 に関して、validation PCRを行った。その結果、4℃保存では22℃保存に対して、mir-20a-5p (fold change: 1.87, p<0.0001), mir-10a-3p (1.88, p<0.0001), mir-16-2-3p (1.54, p<0.01), mir-223-5p (1.38, p<0.05)であった。
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