研究課題
若手研究
人工心肺を使用する心臓血管外科手術では、血小板の働きが人工心肺離脱後に一時的に低下し、術後出血の1つの原因となることが明らかとなっている。しかし、その分子生物学的なメカニズムは、未だ不明な部分が多い。本研究では、microRNAという小さなRNAが人工心肺離脱後の血小板機能不全に関連しているという仮説を元に研究を行った。その結果、人工心肺離脱後ではいくつかの血小板内microRNAの発現が上昇し、止血に関連する血小板膜タンパクの発現低下を引き起こしている可能性が高いことが示唆された。
血小板
人工心肺離脱後の血小板機能低下の分子生物学的なメカニズムがmicroRNAレベルで引き起こされている可能性を示唆したことが本研究の学術的意義であると考えられる。また、本研究の社会的意義として、それらのmicroRNAをターゲットにした治療法に展開できる可能性を有していることが挙げられる。