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2018 年度 実施状況報告書

神経障害性疼痛におけるオフセット鎮痛変容の機序解明-脊髄後角での電気生理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K16459
研究機関大阪市立大学

研究代表者

舟井 優介  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60722486)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードオフセット鎮痛 / 脊髄後角 / 下行性疼痛抑制系
研究実績の概要

本研究は、オフセット鎮痛のメカニズムを脊髄での電気生理学的記録により明らかにするものである。オフセット鎮痛とは、熱刺激を短時間でわずかに増減させた際に痛み感覚が不釣り合いに大幅に変化する現象のことを指す。
研究初年にあたる本年度は実験系の確立に労力を費やした。ウレタン麻酔下のラットに脊椎椎弓切除術を施行し、脊髄膠様質細胞から細胞外記録を試みた。新規に購入した温冷型痛覚計UDH-300を用いてオフセット鎮痛を発現させるための温度刺激プロトコールの模索を行った。定型的には初期温度を43℃~49℃、上昇幅を+1~3℃とし、刺激時間も5~20sなどを組み合わせた。しかし設定温度や刺激時間を様々に変えて記録を行ったが、熱刺激・冷刺激のいずれのプロトコールにおいても、細胞外記録上で明らかなオフセット鎮痛を誘起するには至らなかった。ピンチメーターを用いた器械的刺激ではオフセット鎮痛様の反応が見られるため、脊髄後角からの細胞外記録法としての手法は問題ないと思われる。
UDH-300を用いた温度刺激ではオフセット鎮痛が誘起できない理由にについて、現段階で明確な結論は出ていない。要因の一つとして機器から発生する電気的ノイズの影響を疑っており、ノイズリダクションが可能かどうか業者を交えて対策を考慮中である。また、脊髄レベルではオフセット鎮痛が記録されないものであれば、今後は大脳皮質での記録も考慮する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

UDH-300を用いた温痛覚刺激において、当初想定していたようなオフセット鎮痛の反応が脊髄後角レベルで記録できていないことが遅れの要因である。その原因は機器が発生する電気的ノイズかもしれないが、現在解決法を模索中である。

今後の研究の推進方策

業者も交えて、ノイズリダクションが可能かについて検討する。オフセット鎮痛が確認されれば、細胞外記録のみならず、パッチクランプ記録へと実験を進めてゆく。
もし脊髄レベルでのオフセット反応が見られないのであれば、今後は大脳レベルでの記録を検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度はUDH-300の購入に支出の大半を要した。一方で実験プロトコールの模索に時間を費やしたため、ラットや薬剤購入の費用が予定より少なく済んだ。
次年度はラットやパッチクランプ消耗品、薬品などに本年度より費用を要すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The effects of desflurane and sevoflurane on nociceptive responses in dorsal horn : in vivo patch-clamp analyses2018

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Inada, Yusuke Funai, Hiroyuki Yamasaki, Takashi Mori, Kiyonobu Nishikawa
    • 学会等名
      Anesthesiology 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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