研究課題/領域番号 |
18K16473
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
國分 宙 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50782695)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / シャペロン / マウス / 虚血 / 低酸素 |
研究実績の概要 |
本研究ではマウスを個体レベルで低酸素に暴露して、治療薬として化学シャペロンを投与し小胞体機能を補完することによる虚血低酸素神経障害の予防、治療法の開発を検討する。また、変異KDEL受容体トランスジェニックマウス、変異BiPノックインマウスという小胞体機能障害マウスを用い、新生児期の虚血低酸素神経障害に対する小胞体分子シャペロンの機能を明らかにする。 周産期(胎児期・新生児期)に虚血・低酸素により誘導される脳障害のモデルとして、初代培養神経細胞での低酸素・無グルコース負荷(OGD; Oxygen-Glucose Deprivation)及び新生マウス(日齢10)を用いた片側頸動脈結紮後の低酸素負荷(酸素濃度10%, 45分間)の実験系を使用している。 現在、虚血低酸素神経障害モデルマウスの作成に取り組んでおり、吸入麻酔による全身麻酔下に低酸素負荷を行った。個体によっては、低酸素負荷により死亡してしまうことがあるため、安定し虚血低酸素モデルを作成するためには検討が必要である。さらに、虚血低酸素神経障害の治療薬として化学シャペロンを投与し、治療効果について検討を行っている。化学シャペロンの投与量や投与時期についても検討が必要な状況である。 また、同様の実験を、変異KDEL受容体トランスジェニックマウス、および変異BiPノックインマウスでも行う予定である。 今後は、周産期に虚血・低酸素により生じる脳障害に、小胞体ストレスが関与し、結果として認められる細胞死にはapoptosisの機構が寄与するという仮説を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではマウスを個体レベルで低酸素に暴露して、治療薬として化学シャペロンを投与し小胞体機能を補完することによる虚血低酸素神経障害の予防、治療法の開発を検討する予定である。しかし、実験系に用いる虚血低酸素神経障害モデルマウスの作成が完成しておらず、進捗状況としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
モデルマウスの作成を確立し、治療薬として化学シャペロンを投与し小胞体機能を補完することによる虚血低酸素神経障害の予防、治療法の開発を検討する。また、変異KDEL受容体トランスジェニックマウス、変異BiPノックイン マウスという小胞体機能障害マウスを用い、新生児期の虚血低酸素神経障害に対する小胞体分子シャペロンの機能を明らかにする。
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