• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

Limb remote ischemic preconditioningの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16486
研究機関札幌医科大学

研究代表者

澤下 泰明  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60806800)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード遠隔虚血プレコンディショニング / 心臓虚血再灌流傷害 / グレリン
研究実績の概要

遠隔虚血プレコンディショニング(RPC)とは,四肢を短時間の虚血と再灌流を複数回施行することで得られる虚血再灌流傷害(IRI)に対する保護効果のことである.RPCの機序には未知の液性保護因子の関与が示唆されている.RPCの保護効果は迷走神経切断(胃後枝)で抑制されることが示され,その神経支配臓器から液性保護因子が放出されると推測されている.グレリンは胃から産生されるホルモンであり,体内でアシル化型(AG)と非アシル化型(UAG)の2つで存在し共に心保護効果を有する.RPCの機序においてグレリンの関与は未知である.本研究では,RPCの液性保護因子にグレリンの可能性の有無について検証した.雄性Wistar ラットを用い, in vivoでの冠動脈前下行枝を30分間虚血と120分間再灌流させる心臓IRIモデルを誘導した.RPC手技はラットの上下肢に血圧カフを装着し200mmHgで5分間駆血と再灌流させるサイクルとして3回施行とした.UAG投与量は0.5mcg/kg,JAK/STAT経路の阻害薬(AG490)の投与量は3 mg/kgをそれぞれ静脈内投与した.血清AG値およびUAG値の測定は,RPC手技前後で測定した.全ての個体でArea at riskと梗塞サイズ (IS)を測定し,さらにRPCの保護経路の1つとされるJAK/STATをウェスタンブブロット法により測定した.CON群に比較しRIPC群で,ISが有意に減少した.また,CON群のUAG値は有意な増減は認めなかったが,RIPC群で血清UAG値が有意に増加した.この結果に加えて,UAG投与群でISが有意に減少し,AG490投与によりRIPCおよびUAGの心保護効果はSTAT3のリン酸化が阻害されることによって棄却された.RPCの液性保護因子の1つにUAGが関与し,心臓IRIの軽減に寄与している可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Remote ischemic preconditioning reduces myocardial ischemia-reperfusion injury through unacylated ghrelin induced-activation of the JAK/STAT pathway.2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Sawashita, Naoyuki Hirata, Yusuke Yoshikawa, Hirofumi Terada, Yasuyuki Tokinaga, Michiaki Yamakage
    • 雑誌名

      Basic Research in Cardiology.

      巻: 115 ページ: 50

    • DOI

      10.1007/s00395-020-0809-z.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 遠隔虚血プレコンディショニングは非アシル化グレリンの分泌によってJAK2/STAT3経路が活性化し心臓虚血再灌流傷害を減弱させる2020

    • 著者名/発表者名
      澤下泰明, 平田直之, 吉川裕介, 寺田拡文, 山蔭道明
    • 学会等名
      日本麻酔科学会 第67回学術集会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi