生体にあらかじめ備わった、強すぎる痛みを抑制する働きのことを内因性鎮痛系と呼ぶ。内因性鎮痛系の働きが弱いと、様々な慢性の痛みを引き起こしやすいことが知られている。 本研究では、内因性鎮痛系の活性化の程度を定量的に評価し、当院整形外科脊椎外来に通院する慢性痛患者の内因性鎮痛系を評価し健常人と比較した。その結果、患者群では健常人と比較し内因性鎮痛系の機能不全が存在する比率が高い可能性があった。また、内因性鎮痛系の活性化の有無を予測できる因子について検討したが、性別、年齢、内服薬、痛み関連の問診票スコアなどの因子の中で明らかな関連を示したものはなかった。
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