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2019 年度 実績報告書

疼痛鈍麻の表現型を示す遺伝子改変マウスの包括的遺伝子解析から新たな疼痛因子を探る

研究課題

研究課題/領域番号 18K16492
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

新城 武明  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70624914)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード疼痛 / マクロファージ / Shorting nexin
研究実績の概要

疼痛の発生メカニズム及び伝達機構は多様でありその全貌は明らかではない。我々は、痛み刺激に対する反応が著しく低下しているTGマウスを起点として疼痛の中心的な機序解明に迫ることを目的とした。TGマウスはBACトランスジーンの挿入によって、その領域の内在性の遺伝子の発現を阻害または変動させ、その結果生じる遺伝子の機能異常により、疼痛刺激に対する行動変化が起きたと考えた。次世代シークエンスを用いた順遺伝学的なスクリーニングにより、トランスジーン挿入部位近傍の3つ遺伝子制御が完全に破綻していることを見出した。本研究では、細胞膜の動態や細胞内トラフィッキングに関与する因子、Sorting nexin (Snx)に着目した。Snx-KOマウスはTGマウス同様に痛み行動の減弱と免疫系細胞の異常が認められた。また、WTおよびSnx-KOマウスからDRGニューロンを調整し、Ca imagingを行なった結果、Snx-KOマウス由来のDRGニューロンでは発痛物質に対する反応が有意に減弱していることを見出した。さらに、Snx-KOマウスでは、DRGにおいて疼痛発生時に機能が亢進する疼痛関連因子の発現が著しく低下していることを見出した。末梢の免疫系細胞の異常が認められたため、マクロファージにおけるSnxにより疼痛が惹起されると考えられるが、DRGの異常の可能性もあるため、マクロファージ特異的、およびDRG特異的にSnxをKOした2種類のconditional-KOマウスを作製した。DRG特異的にSnxをKOしたconditional-KOマウスでは疼痛に対する行動異常はみられなかったが、マクロファージ特異的にSnxをKOしたconditional-KOマウスでは明らかな行動異常が認められた。このことから、Snxが疼痛に及ぼす責任部位は免疫系細胞のマクロファージであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 痛覚鈍麻マウスの順遺伝学スクリーニングによる新規疼痛候補遺伝子の同定2019

    • 著者名/発表者名
      田中 達英、奥田 洋明、寺田 雄紀、新城 武明、西村 和也、石西 綾美、竹村 晶子、辰巳 晃子、和中 明生
    • 学会等名
      Neuro2019

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公開日: 2021-01-27  

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