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2018 年度 実施状況報告書

視床下部A11における下行性疼痛抑制系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K16495
研究機関獨協医科大学

研究代表者

小澤 継史  獨協医科大学, 医学部, 助教 (60725654)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードA11 / ドーパミン
研究実績の概要

視床下部に存在するDA神経細胞群(A11-15)の中で、弓状核(A12)に起始するDA神経系は下垂体前葉機能を調節ことが指摘され、A11領域DA神経系は脊髄へ投射する唯一の経路として痛覚に関与する可能性が示唆されている。一方、DA神経細胞に関し、これまでは均質と考えられて来た黒質緻密帯や腹側被蓋野のDAニューロンがグルタミン酸(Glu)受容体、GABA受容体、DA受容体や各種トランスポーターを不均質に発現し、その発現が領域ごとに差異があることから、それぞれ異なる働きを持つと考えられるようになってきた。(Li et al. Brain Structure Function, 2012)この事実は治療の有効性の差異に繋がると推察されている。DA神経細胞の不均一性から、A11細胞においても受容体分布の差異がみられる可能性があり、A11領域の制御機構の解明を進めることがRLSなどの治療困難な機能性身体疾患の病態解明と新たな治療法の確立に繋がると考えられた。
感覚異常の抑制経路に関しては両側性支配が強いとされる三叉神経にもA11は投射していることより、A11の機能異常は身体正中線上の痛みに関与していると推測され、治療困難な正中領域疼痛へのA11の調節機構の関与が示唆される。さらに、脳内DAの制御にはエストロゲンが関与していることも知られていることから、性差が優位であれば壮高年女性に多くみられる会陰部痛や舌痛症などの正中線上、または両側対称性に発症する難治性疼痛の原因解明や治療法の提案に貢献できる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、申請した科研費の計画書の内容とほぼ同等の進捗状況である。研究2年目となる2019年度は、昨年度から行なっている免疫染色や、in situ hybridization法などの手法を用いて作成した標本の解析を中心に行なっていく予定である。
必要があれば、追加実験を行いデータを補完していく予定である。

今後の研究の推進方策

必要最低限のコストで効率よく実験ができるように手順や方法を再度検討する。学会などに参加し積極的に新しい知見や他の研究者と交流し、当該研究の成果に取り込んでいきたい。

次年度使用額が生じた理由

実験計画が年度をまたぐため、必要な試薬などの予算の使用予定を変更することとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Neurochemical characterizations of A11 neurons and innervation of A11 neurons.2019

    • 著者名/発表者名
      山口剛、小澤継史、上田秀一
    • 学会等名
      神経化学・神経科学合同大会

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公開日: 2019-12-27  

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