これまで、世界的に著名な歌手・マイケル・ジャクソン氏が常用した結果死亡したり、2歳男児に術後管理目的で大量に投与された結果死亡したりと、度々プロポフォールの危険性が注目を浴びてきた。その一方で、プロポフォールは手術麻酔や集中治療の現場で幅広く使用され、現代医療に不可欠の薬剤である。今回、培養細胞を用いてPRISの発症機序解明に取り組んで、プロポフォールによる細胞死のプロセスにROSの産生増加が大きく関与していることを明らかにし、その制御を遺伝子工学的または薬理学的に行うことがPRISの発症・進展を防ぐための一つのアプローチとなりうることを示したことに本研究の意義がある。
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