研究課題/領域番号 |
18K16503
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
荒木 義之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学, 助教 (30757894)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ERK / GABA / 麻酔 |
研究実績の概要 |
静脈麻酔薬プロポフォールはγアミノ酪酸(γaminobutyric acid:GABA)A受容体サブユニットに結合すると考えられているが、GABAA受容体の発現がどのような分子メカニズムで調節され、さらにどのようにしてプロポフォールによる麻酔作用とどのように関わっているかについては未だに不明な点が多い。本研究は細胞外シグナル調節キナーゼ(extracellular signal regulated kinase: ERK)とGABAA受容体発現の関係に注目し、ERKがGABAA受容体の発現、もしくは活性の制御に関連しているのではないかという仮説のもと研究を行っている。本研究では中枢神経特異的にERK2を標的遺伝子欠損したマウスを用いてGABAA受容体サブユニットについて野生型マウスとの違いを解析し、ERKの役割を解析している。中枢神経特異的にERK2を標的遺伝子欠損したマウスは、防衛医科大学校生化学講座の佐藤泰司と東京都健康長寿医療センターの遠藤昌吾と共同で作出したERK2floxマウスとNestin-creマウスとの掛け合わせにより作出した。このマウスの海馬由来神経細胞初代培養細胞を採取し、初代培養神経細胞を得た後、培養15日目に細胞を回収した。これらのサンプルに対し、様々なGABAA受容体サブユニットに対する抗体を用いたウエスタンブロット法により、GABAA受容体サブユニットの発現を解析してきた。その結果、ERK2遺伝子の欠損により、いくつかのGABAA受容体サブユニットの発現が野生型マウスと比較して変化していることを発見した。さらに、これらの初代培養神経細胞において、各種GABAA受容体サブユニットの発現を共焦点レーザー顕微鏡で可視化した結果、中枢神経特異的にERK2を標的遺伝子欠損したマウスでは、GABAA受容体の細胞膜の発現に異常があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在まで海馬初代培養細胞におけるERKとGABA受容体の動態を共焦点顕微鏡を用いて可視化する方法に予想以上の時間を費やしたため、進捗が遅れた。しかし技術的な問題点を解決したため、今後は研究を加速していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は共焦点顕微鏡を駆使してGABA受容体の動態を解析していく。さらに電気生理学的手法を取り入れ、さまざまな切り口から包括的に仮説の検証を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費に関して極力既存のものを利用するようにし、次年度のために経費を節約したため。
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