集中治療を要する急性期重症患者は、しばしば急性腎障害を発症し体液貯留が生じる。この改善のために急性血液浄化療法は重要な治療法であるが施行中にショック状態となり血行動態の変化を生じることが報告されている。 本研究では血行動態の変化が血管内皮グリコカリックスの障害による水分の血管外漏出が原因であると考え、1)急性血液浄化療法を行っている患者から血清を採取し、グリコカリックスの傷害マーカーであるシンデカン-1などの測定する、2)腎亜全摘モデルマウスなどの動物モデルを用いて体液貯留によるグリコカリックスの構造変化を検討する、ことにより体液量増加と血管内皮グリコカリックス障害の関連について考察を行った。
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