研究実績の概要 |
本研究はpost Cardiac Arrest Syndrome before Therapeutic hypothermia score (CAST score) という我々が以前開発した体温管理療法を施行する心肺停止後低酸素脳症の患者の神経学的予後を早期に予測するスコアの精度を全国規模のデータを利用して検討することを目的としたものである。今回、助成を受けて研究計画を進めることができ、日本救急医学会主導のJAAM OHCA Registry (全国の救急施設94施設が参加) という全国規模の心肺停止患者のデータを利用することができた。 本研究課題内定以前に、すでに我々はCAST scoreの計算をより簡略化して使いやすくした revised CAST score (以下rCAST) を開発していたので、その精度を比較することとした。JAAM OHCA registry data を利用して集積された患者は12,024例 であった。rCAST による予後良好の判別能は AUC 0.877 と非常に高い予後判別能であった。rCAST の予後予測の判別能が優れていることを利用して、rCASTの点数によって心肺停止患者を高リスク群、中リスク群、低リスク群に分け、心肺停止患者の重症度分類を作成した。作成したrCASTの重症度分類に関しては、その普及を目的として測定値を入力するだけで自動に計算できるツールをWeb上に一般公開した。今回の研究によってrCASTの予後予測スコアとしての実臨床においての有用性が証明された。上記内容は現在論文執筆中である。今後この作成された重症度によって様々な心肺停止患者に対する治療効果に違いがないかどうかを検討していくとともに、rCASTに関する研究を発展させ、その普及を目指していく。
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