研究課題
重症熱中症の後遺症として最も重要なのは意識障害である。我々は熱中症における意識障害の原因解明を目的として以下の4つ研究を実施した。①ラットモデルを用いた病態解明、②臨床研究による熱中症性脳症の臨床像解明、③レジストリーデータを用いたリスク因子の抽出、④消防学校訓練におけるリアルタイム生体情報モニタリングおよび熱中症リスクの抽出①熱中症ラットモデルを用いた熱中症性脳症のメカニズムを解明:ラット熱中症モデルを作成し、髄液・血清を採取した。②熱中症患者における熱中症性脳症の臨床像解明:多施設臨床研究を実施し、血清HMGB1と神経学的予後の関係を明らかにし、熱中症のバイオマーカーとして使用可能であることを示した。③熱中症レジストリーを用いた熱中症性脳症の疫学調査:Heatstroke Studyの結果を解析し、熱中症の神経学的予後予測因子の抽出を行った。特に体温が予後因子ではないことを明らかにした。④消防学校におけるリアルタイム生体情報モニタリングおよび熱中症リスクの抽出:消防学校訓練においてスマート衣料を用いた生体情報リアルタイムモニタリングを実施し、訓練による疲労度・熱侵襲が客観的に評価できる可能性が示唆された。以上の研究を実施し、③の結果をHeatStroke Study2017-2018のデータ解析を実施し、その結果を「J Shimazaki, et al. Clinical characteristics, prognostic factors, and outcomes of heat-related illness (Heatstroke Study 2017-2018). Acute Medicine & Surgery 2020」として報告した。①②④に関しては現在最終解析を行っている。
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Acute Medicine & Surgery
巻: 16 ページ: e516
10.1002/ams2.516