クラッシュ症候群(Crush syndrome: CS)に対する水素ガスの効果をラットモデルで検証した。水素群は水 素1.3%+窒素77.7%+酸素21%、空気群は窒素79%+酸素21%のガスをチャンバーに満たし、圧迫解除直後にラットをチャンバー内で最大24時間管理した。24時間生存率は水素群で100%、空気群で44.4%と改善した(p=0.035)。水素群では圧迫解除から18時間後の乳酸値、CK値の低下を認め、大退筋組織は水素群で間質の浮腫と出血像、好中球の浸潤が抑制された。水素ガスの吸入によりラットCSの生存率を改善し、これは圧迫部の虚血再灌流後の筋障害を軽減するためと考えられた。
|