研究実績の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome, ARDS)は, 致死的急性呼吸不全の代表例であり, その治療成績 はいまだ十分ではなく病態も不明な点が多い. 次世代シークエンス手法を利用したメタゲノム解析手法は, 末梢気道に存在する微量細菌叢を極めて高感度かつ網羅的に検出することができる新たな手法である. 本研究の目的は, (1)ARDS患者末梢気道に 存在する微量細菌叢の解析, (2 )ARDS重症化予測における微量細菌叢の相関解析, (3)マウスモデルを用いた微量細菌叢によるARDS発病実験である. 平成31年度は、 1. 肺胞洗浄液を用いて細菌のメタゲノム解析を行った。得られた塩基配列を既存のデータベース(NCBI Taxonomy DB, Genbank)と照合し, 検体中の細菌叢を解析した。また, 同時に肺胞洗浄液中の細菌量を real-time PCR により定量的に評価した。 2. 血清及び肺胞洗浄液中のサイトカイン測定を行なった。 上記により、ARDS患者の予後及び全身性炎症反応に関連する、下気道細菌叢内の特定細菌を同定した。その結果を海外学会及び学術誌に発表した。
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