敗血症は患者のエネルギー代謝を悪化させ、またエネルギー代謝の悪化は敗血症の予後を悪化させる。AMP 活性化プロテインキナーゼ (AMPK) は、エネルギー代謝の中心的役割を果たす酵素である。全身の AMPKα1 欠損マウスは、敗血症モデルラットの予後を悪化させる。AMPKα1は全身に存在するが我々は骨格筋を動かすことにより AMPK が活性化されることが、敗血症の予後の改善に資する可能性があると考えた。MPK-DN マウスは骨格筋特異的に AMPK が過剰発現したマウスで、AMPKα1 が 50%の活性低下、α2 が 100% 活性低下したマウスである。AMPK-Wild Type マウスと AMPK-DN マウスにおいて CLP による敗血症モデルを作成し、生存率を調べた。1週間のsurvival studyをしたが生存率がWTマウスが31%、DMマウスが41%であり、有意差は見いだせなかった。18時間後に犠牲死させ血中の炎症性サイトカイン(IL-6,TNFα)をELIZAで定量したTNFαはWTで平均238.2でありDNマウスは平均12.6で有意さはなかった。IL-6は平均値がWT 0.745、DN 0.639であり有意差が出なかった。CLP18時間後の排、小腸、骨格筋をHE染色し、出血の程度、好中球浸潤など組織学的に検索したが有意差がなかった。AMPK-CNマウスはknock downマウスと違いある程度の活性が残っているため炎症や組織破壊、生存率に有意差が出なかったと思われる。
|