敗血症は感染に対する宿主生体反応の調整不全による生命を脅かす臓器障害である。我々は宿主生体反応の調整不全には、代謝の中心的役割を果たすAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が大きくかかわっていると考えた。骨格筋は肝臓や消化管のような内臓とは異なるが大きな臓器である。骨格筋は代謝にも大きく関与し、敗血症後のマウスが運動するだけで予後がよくなるという報告もある。この予後改善には我々が研究してきたAMPKが関与するのではないかと仮説をたてた。骨格筋にAMPKを過剰発現させ、活性低下させたマウスを用いて生存率や全身の炎症反応や組織への好中球浸潤などを確認したが有意差は認めなかった。
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