本研究では小児の蘇生後脳症を対象とした。厚生労働省「人口動態調査」によると毎年300名以上の子供(0-14歳)が不慮の事故で亡くなっており、そのうち窒息や溺水など、低酸素血症に伴う死亡が半数以上を占めている。また自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じ、予後が悪い。小児における蘇生後脳症では成人と比較し社会的背景などにより治療経過が長くなることが多いが、成人における低体温療法のように確立された治療法は現在のところ存在しておらず、また全身状態が不安定な場合が多くCT/MRIによる頭部画像評価が難しい場合も多い。そのため今回新たな脳モニタリング法と治療について研究を行った。
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