今後の研究の推進方策 |
今後は緑膿菌性肺炎モデルの生存率・体温変化・肺浮腫の程度・気管支肺胞洗浄中の抗体価の解析に加えて緑膿菌に感染した時の生体の防御免疫機構についてさらに抗緑膿菌抗体価(OprF, EndotoxinA, mTox)の経時的解析も行う予定である。また免疫ブロット法による抗体価に関連する新たな抗原の探索として亜致死量の緑膿菌感染で生存したマウスで生存したマウスから採血した血液と緑膿菌表面抗原を用いて免疫ブロットを行う。緑膿菌PA103株・多剤耐性緑膿菌株をTSB培地を用いて培養する。その後遠心し、沈殿物をsucrose含有バッファーによって溶解する。再度遠心し、上清を破棄したのち、ペレットをsucrose非含有バッファーにより溶解し、遠心後上清を回収する。表面抗原の抽出液をSDS-PAGEに注入する。その後ゲルを取り出しメンブレンに転写する。次に一次抗体として生存したマウスの血液を、二次抗体(Anti-Mouse IgG-Peroxidase antibody produced in rabbit)の反応後、最後にDAB(3,3’-diaminobenzidine)で発色し反応を確認する。 これら2つの過程を通して獲得免疫のメカニズムの解明と緑膿菌感染症に対する新規ワクチン抗原の発見のため基礎研究を継続し、今後の臨床応用へと発展させたい。
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