研究実績の概要 |
(動物研究)ラットを用いた敗血症病態の動物モデルにおいて、リンパ組織、脾臓、血液中のmiRNA、MDSCcの遺伝子発現の経時的変化を網羅的に観察する。LPS投与により敗血症マウスモデルを作成し、経時的な以下の変化を観察する。miRNAの定量評価: 敗血症ラットモデルから回収した脾臓、リンパ組織、血液マクロファージ内のmiRNAの発現を、次世代シーケンサーを用いて網羅的に解析した。 a.miRNAの分離、濃縮 mirVanaTM miRNA Isolation Kit等を用いてmiRNAを抽出した。 b.次世代高速シーケンサーを用いた包括的miRNAのプロファイリング 網羅的なmiRNA発現プロファイリング、未知のnon-cording RNA (miRNA/lincRNA)発現量の違いを定量評価でき、感度、正確性、再現性などにおいて従来のマイクロアレイより優れている次世代高速シーケンサーIon PGMTMシステムを使用して行った。ライブラリ調整(Ion Total RNA-seqキットを使用)→ ビーズ調整(エマルジョンPCRを行い、DNA断片をビーズ上に増幅する。)→ シーケンシング(エマルジョンPCR後のサンプルをマイクロチップに注入しIon PGMシーケンサにて塩基配列を検出し、miRNAの発現定量を行う。)→ データ解析(Ion PGMシーケンサで選出したデータはTorrentサーバーに転送され、解析ソフト:Genomic Work Bench, CLCバイオ社を用いて解析した。) c.特定miRNAの検出と定量 b.にて発現変化していたmiRNAから選別した特定のmiRNAをReal-Time PCR法を用いて定量し、発現の確認を行った。なお、我々は予備実験からmiRNA miR-211,-204,-106b,-346,-708などに注目している。 mRNAの定量評価:脾臓及びリンパ組織からMDSCcをキット (Miltenyi Biotech社) により単離し、mRNA発現変化を、miRNA同様のプロトコールで、次世代シーケンサーを用いて網羅的に解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度も、次世代シーケンサーによるmiRNAの遺伝子解析、細胞への遺伝子導入実験を行うので、それに必要な実験消耗品を購入する予定である。 本研究に用いられる次世代シーケンサー関連試薬、micro RNA 関連試薬は、以下のように大変高価である。Ion PGM システム(次世代シーケンサー)関連試薬として Total RNA-Seq Kit v2(12 反応) 144,000 円、Ion RNA-Seq for AB Library Builder System 156,000 円、Ion Xpress RNA-Seq BC 01-16 Kit 192,000 円、Ion 318 チップ(半導体マイクロチップ)を用いた一回のランニングコスト 90500 円 miRNA 関連試薬としてmirVanaTM miRNA Isolation kit 1kit(40 回分)/44,000 円、mirVana miRNA mimic 58,000 円、mirVana miRNA Mimic Negative Control 57,000 円、mirVana miRNAMimic Positive Control 57,000 円 その他の、PCR関連品、細胞培養実験に有する費用も大変高価である。
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