加齢と認知機能障害の既往は、敗血症後の認知機能障害である敗血症関連脳障害の独立した危険因子とされている。我々は、認知症合併高齢マウスモデルである老化促進マウスを用いて敗血症急性期のシナプス伝達や神経炎症がどのような機序で影響を受けるかを検討した。老化促進マウスでは、海馬においてミクログリアの活性化を伴うIL-1βの上昇が見られ、シナプス基礎伝達が低下していることが示された。また、非老化マウスでは、シナプスの基礎伝達に変化はなかったが、長期増強が低下していた。IL-1βの拮抗によりこれらの変化は改善し、その機序にIL-1受容体を関したシグナルが関与していることが示された。
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