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2018 年度 実施状況報告書

好塩基球活性化に着目したアナフィラキシーの病態解明と新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K16540
研究機関広島大学

研究代表者

山賀 聡之  広島大学, 病院(医), 助教 (30526223)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアナフィラキシー / 好塩基球 / ヒスタミン
研究実績の概要

本研究では,アナフィラキシーにおける好塩基球活性化に着眼した分子学的観点からアナフィラキシーの病態を解明すること,アナフィラキシーの新規治療方確立の基礎的検討を行うことが目的である.平成30年度は,アナフィラキシー患者における好塩基球数の測定と活性化の有無を検討した.救急外来を受診,あるいは入院中にアナフィラキシーを発症した患者の末梢血を採血し,フローサイトメトリーを用いてCD203cの発現から好塩基球数を測定した.さらに.発現強度の解析から活性化の有無を評価した.その結果,アナフィラキシー患者の末梢血中の好塩基球数は,健常者と比較し有意に低下していることが分かった.発症翌日においても同様に好塩基球数の低下を示した.また,アナフィラキシー患者における末梢血中の好塩基球は全例で活性化を認めず,Anti-IgE抗体による刺激によって活性化を示した例は一部の症例のみであった.これらの結果から,アナフィラキシーでは,活性化した好塩基球は末梢血から組織に移行し,末梢血には活性化能のない未熟な好塩基球が残存している可能性が示唆された.また,アナフィラキシー患者の血球内ヒスタミン値は,健常者と比べ有意に低下しており,発症翌日においても同様に低下していた.一方で,細胞当たりの血球内ヒスタミン値は健常者と有意な差がなく,血球内ヒスタミン値の低下の原因は脱顆粒より好塩基球減少に起因することが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は,アナフィラキシーにおける好塩基球数と活性化の解析,好塩基球活性可能の解析,好塩基球脱顆粒の検討を予定していた.いずれも計画通り遂行している.

今後の研究の推進方策

令和元年度(平成31年度)以降は,アナフィラキシーにおける好塩基球活性化制御の検討を行う.まず,アナフィラキシー歴があり,アレルゲンが判明かつ当院に定期的に外来受診している患者の末梢血を用い,in vitroでアレルゲンによる好塩基球活性化の有無を確認する.次に,アレルゲンによる好塩基球の活性化を制御可能な化合物の検索を行う.活性化の評価はフローサイトメトリーを用いたCD203cの発現強度の解析により行う.また,好塩基球の活性化と臨床データとの関連を調べるためには,アナフィラキシー患者の症例を増やす必要があり,前年度に引き続きアナフィラキシー患者の末梢血中の好塩基球数および活性化について評価する.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:令和元年度計画の研究に対する予算が当初予定よりも多く必要だと考えたため.

使用計画:消耗品等に使用する予定である.

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公開日: 2019-12-27  

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