研究課題/領域番号 |
18K16547
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
近藤 匡慶 日本医科大学, 医学部, その他 (60795730)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 配合変化 / pH / HPLC / 濁度 / 注射 / 集中治療 |
研究実績の概要 |
研究の目的は、救急・集中治療領域での注射薬の使用状況に基づいた多剤配合変化試験を実施することである。そして、新たに多剤配合変化早見表を作成し、臨床現場に安全な点滴ルート選択を提供することである。本研究は、多剤配合変化試験の組合せ選定、多剤配合変化試験の実施、及び臨床応用の3工程より構成している。本年度は配合変化試験を中心に実施した。配合変化は、2施設(日本医科大学多摩永山病院及び東京薬科大学)にて濁度値を使用した物理的配合変化試験とHPLC(high performance liquid chromatography)を用いた化学的配合変化試験を実施している。物理的配合変化試験は、多剤配合変化試験及び文献で実施されていない2剤配合変化試験を実施している。多剤配合変化試験では、新型コロナウイルス感染症に伴い、治療薬候補であったナファモスタットとフェンタニル、モルヒネ、ロクロニウム、デクスメデトミジン、ミダゾラムとの配合変化試験を実施した。2剤配合変化試験において、ロクロニウム‐シベレスタット、アミオダロン‐ニコランジル及びニカルジピン‐ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウムは明らかな外観変化を認め配合変化を引き起こすことを明らかにした。一方、化学的配合変化試験は、カテコールアミン系薬剤を中心とした多剤及び2剤配合変化試験を実施している。バソプレシンとカテコールアミン系薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドブタミン、及びドブポン)との配合は、バソプレシンの含有量低下し化学的配合変化を引き起こすことを明らかにした。加えて、カテコールアミン系薬剤に含まれる亜硫酸ナトリウムがバソプレシンの残薬率低下の原因であることも明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HPLCを用いた化学的配合変化試験では、HPLCの測定条件設定に時間を有しており、1試験に想定以上に時間を有している。そこで、物理的配合変化試験に代用することで解決できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
配合変化試験を完了し、論文作成し研究成果を公開していく
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次年度使用額が生じた理由 |
配合変化試験の医薬品購入
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