研究課題
患者固有形状モデルは3次元CT血管造影で得られた血管形状を専用ソフトで1mm未満の血管等のトリミングとスムージングを行った後、stereolithography(STL)ファイルに変換し出力した。次に専用ソフトを用いて脳動脈瘤削除モデルを作成した。頭蓋内ステントの素線径に対応する等価直径0.064mmの球状粒子でステント領域を置換した。そのため3D neckを0.064mmでoffsetし、3D stent domain (3DSD)と定義し、多孔質媒体として数値リモデリングした。STLファイルを元に格子は3DSD以外の部位では最低0.1mm、最大0.6mmの4面体で作成し、3DSDでは多孔質媒体の粒子径以下となるように0.05mmの4面体の格子を用いた。格子間の接触を避けるために、3DSD以外の血管形状の表面には6層の5面体を設定し、3DSDには5層、親動脈を3層の5面体を設定した。血液は密度1056kg/m3、粘性率0.0035Pa・sと仮定した。Time stepは0.0001secで、出口は自由端とし、入口には十分に発達した層流を設定するため、断面積の等価直径に応じて延長した。血流量は内頚動脈の健常成人mass flow waveformを等価直径に応じて症例毎に計算し、非定常数値流体力学(CFD)解析を行った。ステント留置後のCFD解析はステント留置前の血管形状を用い、ステント内血流領域をDarcyの法則に基づいた多孔質媒体領域に設定した。Volume coverage ratioと各種血行力学的パラメータの関係を非定常解析で求めた。今後、頭蓋内ステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし、ステントセルの縮小変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を考案し、より短時間にステント留置による血行力学的効果を予測する手法の確立を目指す予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、研究成果が得られつつあるため。
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。
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J Neurointerv Surg
巻: 11 ページ: 614-617
10.1136/neurintsurg-2018-014489