くも膜下出血や脳梗塞などの脳卒中は、寝たきり原因の国内一位である。 白血球はエラスターゼやミエロペルオキシダーゼなどの殺菌性蛋白分解酵素を含み細菌を死滅させる一方、核内ヒストンがPeptidylarginine Deiminase(PAD4)によりシトルリン化されたNeutrophil extracellular traps (NETs)は血栓形成や動脈硬化、腹部大動脈瘤など種々の疾患への関与が考えられている。 本研究では脳動脈瘤破裂モデルを用いて脳血管におけるNETs形成やNETs制御による脳動脈瘤への影響を明らかにし、PAD4 抑制による脳動脈瘤破裂の低下作用やdeaminaseによるNETs分解の有用性も示し、治療標的としてのNETsの有用性を明らかにした。 現在、頸動脈剥離術により摘出した動脈硬化部位や難治性脳血管障害でのNETs発現を検討中である。
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