研究課題
血管内皮細胞の接着結合分子VE-cadherinは、BBBの恒常性維持という本来の役割だけでなく、全身性炎症性疾患において細胞外部分が遊離して新たな生物学的な機能を有することが近年示唆された。本研究では、炎症性メカニズムが大きく関与する中枢神経系の代表的疾患である「くも膜下出血」における同分子の役割について、臨床研究と基礎研究を用いたReverse-translational Studyの手法を用いて解析と考察を行った。臨床面では、くも膜下出血の急性期における髄液中可溶性VE-cadherin濃度が、長期的予後と負の相関を有することが示された。一方で、初代培養細胞とモデル動物を用いた基礎研究では、同分子がミクログリアの炎症性活性を惹起していることが示唆され、くも膜下出血における新たな炎症障害性メカニズムの存在が明らかとなった。この血管内皮細胞ーミクログリアの新たなcell-cell interactionの役割を追求することで、中枢神経系における新たな治療戦略を展開できる可能性がある。
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