研究課題
本研究では、ヒト末梢血T細胞のprogrammed death-1(PD-1)遺伝子をclustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR-associated protein 9(CRISPR/Cas9)を用いたゲノム編集技術により破壊し、かつ、レンチウイルスによる遺伝子導入技術を用いて膠芽腫に発現するがん変異抗原epidermal growth factor receptor, transcript variant III(EGFRvIII)特異的chimeric antigen receptor (CAR)を発現させ、PD-1を破壊したEGFRvIII特異的なCAR-T細胞(PD-1-KO-EvCAR-T)を誘導することを目標としている。誘導したPD-1-KO-EvCAR-Tについては、EvCAR、PD-1ならびにその他の細胞表面レセプターの発現、PD-1遺伝子の破壊効率、PD-1遺伝子破壊領域のDNA配列、in vitroにおける膠芽腫細胞に対する抗がん効果を評価する。平成30年度は、Cas9を搭載したsingle-guide RNA(sgRNA)発現ベクターにPD-1遺伝子に対するCRISPR配列を設計・構築した。培養細胞系(HEK293T細胞)に構築した遺伝子ベクターを導入しPD-1の標的遺伝子領域を破壊できたことをPCR法とT7 Endonuclease Iによる反応でで確認した。令和1年度は、PD-1-KO-EvCAR-Tの誘導とその特性解析(EvCAR、PD-1、その他の細胞表面レセプターの発現、膠芽腫細胞に対する増殖抑制試験)を行った。さらに、誘導したPD-1-KO-CAR-TのPD-1遺伝子破壊領域のDNA配列解析および作製したsgRNAのoff-target効果についても解析した。
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Cells
巻: 16 ページ: 998
https://doi.org/10.3390/cells9040998